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Oomachi-Parkbox

公園に浮かび上がる木組みの空間。

福島県会津若松市の中心市街地にある「大町中央公園」。
その休憩施設を木質化するリノベーションプロジェクトを会津若松市および現地NPO法人と協同して行いました。

そもそものはじまりは、「公園をどうするか」。

会津は色々とご縁を頂き、たびたびおもちゃのカメラのワークショップで通っていました。
そのうち徐々に「あいつの本業は建築らしい」ということが認知された?のか、
​中央公園どうにかしたいんだよねという相談を受けました。
最初は恥ずかしながら「そんなところに公園あったか?」というレベルからスタート。
​朝、昼、晩とワークショップの合間に抜け出し公園観察がスタート。
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緑は多いんですよ。しかも大木ぎみ
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赤べこのような?タバコの灰皿も。
​
​夜、暗い!が第一印象でした。
まず公園外灯の点灯時間を市に頼んで延長してもらうことから始めました。

人、少ない!という印象も大きかった。
利用者の増加を目的としているので、来る人増やせないかなとアレコレ悩みました。

来訪者の絶対数が少ないか多いかは置いといて、
面積が広い(東京ドームの1/5くらいある)わりに
センターとなる場所が無いから人が点在して少なく見えるのでは?


ということで、
①訪れる目的を生み出す
②人が集まる「溜まりスペース」を生み出す
③夜の暗さは広すぎて仕方無い部分もあるので、建築としては照明常設として暗さを逆に利用する方針
​

これをまぁコスト抑えつつ会津産の木材でイケませんか、
ええめっちゃ面白いですね即やりましょうと、いつもの軽いノリで企画。
既存休憩施設のリノベーションとすることで予算を抑えました。
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こちら休憩施設外観
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風のよく通る空間。正面の眺めも非常に良い
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入口から正面に見えてくる
リノベーションの面白いところは、歴史をつないでいけるから、
​当事者が増えるところ。
築3-40年もたつと、ここで遊んだ子供たちが今は大人になってます。
地域にはそんな人が多く、リノベーションの話をするとかなり喜んでくださることが多々ありました。
コンセプトや気持ちを地域の方々と共有する中で、変な話こちらが当初思っていた以上の意義を感じさせてくれました。
本当のクライアントは、近隣に住む一人ひとりなんだよなぁと。書くと当たり前ですが。

物理的に公園に訪れる人を増やすことも大事だけど、関わる人を増やすことが根本的に大切なのでは?
地域の参加が見える空間。そんなのがデザインしたいと思うようになり、
​そんな想いから、訪れたくなる空間作りの一環として、小さな図書館機能を提案しました。
地域の人に選著してもらえば、それは公園維持管理へ住民が間接的に参加することにつながります。
難しい「地域作り」ではなく、選著という誰もが簡単に参加できる機会を通して、
Parkboxに静かな参加の仕組みを備えること。
いきなり物販や飲食といった経済的な機能を持ち込むとリスクも大きいので。
そういう活用は見据えつつも、まずは文化的な側面から関わる人を増やせないかアプローチしてみました。
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3Dで作成した既存の建物イメージ図
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内側に木質空間。前面はすべてくつろげるスペースとし、奥に本棚。
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完成イメージ。前面部分でのんびり本が読めるような場に。

会津、三島町産の杉材

休日に関越自動車道で小出まで行き、そこから只見を抜けて三島町まで、材木を買い付けに行きました。
只見、ほんとに植生が豊か。みなかみと同じ、ユネスコエコパークに登録されてます。
途中、炭酸水の湧き出る休憩所へ寄って地域のおばちゃんと立ち話したり、のんびりしたドライブになりました。

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持ち帰ってきたら、刻み仕事の開始です。我が家は手刻みです。
日本の木造建築の仕事はほぼ9割がた、手刻みを辞めているらしいです。たしかに知合いの大工以外ではあまり噂を聞きません。
代わりにプレカットといって大規模工場で機械が木材を加工してます。効率性がまるで違います。
ただ、今回のような特殊案件では、手刻みでむしろ良かった感があります。
たとえば図面と現場の寸法乖離。既存建物がまっすぐ建っていないので、
実測を綿密に行ってもいざ工事を始めてみると、結構ミリ単位で不整合が出てきます。

そうすると木材同士の最終的な噛み合わせの調整などは現場で行うしかありません。
そんなときノミでささっと調整ができるのはありがたいなと。

しかも木組みを見せるということは、調整部分を隠さず全て見せていくことになります。
微調整にも美が求められるのでデリケートな手作業が大前提です。
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全体としては四角い既存建物ですが、ピンポイントで見ると結構不整形で、
​縦、横、高さ方向全ての調整に気を使うことになりました。
構造自体は単純でも、美しい線を通すというのは大変で、単純なことではないなということを再認識させられます。
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10mほどスパンが飛ぶと継ぎ手の微調整が必要になることも。
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本が並ぶ予定の棚
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前面の豊かな植生を庭木のように眺める「縁側スペース」。
そうして出来たParkbox。イメージが具現化され、あとは使われるのを待つばかり。

どんな使い方が出来るのか① 「アクティブな参加」

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Parkboxを媒介として、公園空間に期間限定でブティックや飲食の場を引っ張り込みました。
商品を飾るためのカウンターやひっかけるポール、着脱可能な間仕切り壁、
​看板となる黒板などもあらかじめ設計に含めておくことで、
初めて使う方でも簡単にお洒落な飾りつけが出来上がります!
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公園ビアガーデンもやりました
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子供たちは特に目的無く集まって楽しそうでした

使い方② 静かな参加(図書館機能)

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工事後すぐに、本の寄贈を頂きました。
「地域の人が選著する図書館やりたいんですよね。うまくいくか分からないけど」と
ポロっとこぼした僕の言葉を覚えててくださいました。良かった。ありがとうございます。ホッとしました。
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先日行ったら子供向けの絵本も随分増えていました。

昼と夜それぞれの表情の違いを武器に、関わる人を増やしていけないか。。?

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(前面の植栽が邪魔ですいません。。)
当初話していたコンセプトのひとつに「庭先のBBQの延長線みたいに使える場所」というキーワードがありました(実際にBBQやるとかではなくww)半分イベントで半分が家庭の日常のような。遊具はないけど、大人が酒飲んだり喋ってる隣で、子供たちが安心して遊べる環境。そういう場所として育っていってくれたらと願っています。

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